ミドルモビルスーツ ドラケンE改
頭頂高:4.921m
空虚重量:8.25t
運用重量:11.40t
固定武装:短距離ミサイル×2、単発40ミリグレネード×0〜5
右腕ハードポイント利用の選択武装:甲壱型腕ビームサーベル(ビームジャベリン、ヒートクロー、輻射波動機構等を搭載)、60ミリバルカンポッド
民生品の作業用機器であったミドルモビルスーツ、ドラケンEをベースに開発した改修機。
自走で高速移動ができるよう脚部にインホイール・モーターとランフラット・タイヤを組み込んだローラーダッシュ機構を備える。
背面にはスペースポッドSP−W03の技術から発展させた可動ノズルによる推力偏向制御ロケットエンジンを装備。
機体に合わせチューニングされたAMBAC(active mass balance auto control。能動的質量移動による自動姿勢制御)と合わせ、原型機であるドラケンEと違って宇宙用装備への換装やアンビリカルケーブル無しでの宇宙空間活動を可能としている。
またこのロケットエンジンは重力環境下でもローラーダッシュの加速、スピードアップ、進路変更に使えるほか、リミッターを解除することで短時間のジャンプが可能となっている。
特筆すべきはジャンプの加速力で最大9G、3秒以下で最大戦速に突入し、短時間で飛翔を終えるそれは撃墜がほぼ不可能。
ゲーム的な言い方をすれば『飛行中無敵』であり、さらに地上の敵戦闘車両の薄い上面装甲を上空からのトップアタックで一方的に蹂躙、撃破することが可能である。
基本的には現地点から着地点までの直線的な弾道軌道しか取れず、空中での進路変更は困難。
推進剤を大量消費するため何度も使うことはできず滞空時間もほんのわずかという制約があり使いどころが難しいものの、強化歩兵として地形を利用しながら敵に接近し、必要な時にジャンプで空中から地上を一方的に掃射できるという、従来兵器には無い機能がこの機体の強みとなっている。
ドラケンEは機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争に登場した全高5メートル弱のミドルモビルスーツです。
HGUC 1/144 RGM-79SP ジム・スナイパーIIのおまけとして初めてキット化されました。
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ロボットアニメに対する意見としてよくあるのが、
「実用的な人型陸戦兵器は全高5メートル以下、ボトムズのアーマードトルーパーが限界だよね」
というもの。
では本当にファースト・ガンダムの世界でそのとおりの兵器を作れるのか。
通常サイズのモビルスーツに対抗できるようにするならどう組み上げれば良いのかというコンセプトでドラケンEをカスタマイズしてみました。
ドラケンEってビームサーベルが使えることになってますし、装備されている短距離ミサイルはMSイグルー2で歩兵がザクを倒すのに使用した対MS重誘導弾 M−101A3 リジーナより大型ですし。
あとは連邦軍モビルスーツの頭部60ミリバルカンを流用ですね。
あれだけコンパクトなのにザクの正面装甲を抜いて撃墜できる威力を持ってますし、将来的にはジェガンが頭部バルカンでギラドーガの装甲に大穴を開けてますからね。
参考
RH−35E ドラケンE
サイド6に駐留する”リーア軍”が使用するMMS=ミドル・モビルスーツ。
元は民生品の作業用機器で、比較的精密な作業が可能な二重下腕肢マニピュレーターの機体がデフォルトの仕様。
腕部をパワーローダーと換装した荷役仕様の機体などもある。
連邦、公国を問わず、土木工事の現場や港湾作業などで運用されているほか、治安維持や暴徒鎮圧、警ら用に運用されている事も多い。
”RH−35”は、リーア35番地(リボー・コロニー)所属の意味。
(プラモデル「HGUC 1/144 RGM-79SP ジム・スナイパーII」取扱説明書より引用)
SPEC
全高 4.921m
武装 短距離ミサイル×2/ビーム・サーベル
(「ガンダムパーフェクトファイル 122号」より引用)
脚部ローラーダッシュ機構
ボトムズのAT(アーマードトルーパー)を参考にかかとにローラーダッシュを組み込みました。
タイヤは100円ライターを分解して取り出したフリント・ホイールを使用。
スイングアームはアルミテープをカットして貼り付けたもの。
かかとのサスペンションをカットした後、モナカ構造の脚部を接着剤で張り合わせ、後からドリルとデザインナイフ、棒やすりではめ込む穴を作って接着。
つま先にもパーツを張り合わせる前に削り込みを入れた後、タミヤのプラ棒(3ミリ丸棒)をカットして作った補助タイヤを入れてあります。
右腕ビームサーベル
コードギアスのKMF(ナイトメアフレーム)紅蓮弐式甲壱型腕装備、
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こちらを参考に、ビームサーベルに三本のクローを付けたものを肘から先に取り付けてあります。
パワーローダータイプ腕の肘から先を取り付けステーとして少しだけ残しカット。
カップヌードル miniガンプラ シャア専用ズゴック、
こちらのクロー部品にドリルで3ミリの穴を開け、RG 1/144 RX-78-2 ガンダムのビームサーベルの先端に通します。
なお小さい上、クリア部品なので普通のプラスティックに比べ強度に劣るズゴックのクローは、いきなり3ミリドリルで穴を開けようとするとおそらく割れてしまうでしょう。
私は1ミリのドリルから始めてゆっくりと徐々に太いドリルに変えていくことで慎重に加工しました。
ビームサーベルのビームはRG 1/144 RX-78-2 ガンダムのものは長すぎるため、その60%程度の長さのHGUC 1/144 RGM-79SP ジム・スナイパーIIのものを使っています。
また予備として機体に装着させるため、閉じた状態のクローとビームサーベルの組み合わせも作成します。
わきの下、アームシャフトアンダーガードに予備の甲壱型腕ビームサーベルを吊るせます。
60ミリバルカンポッドをパージ後、自機の左腕二重下腕肢マニピュレーターを使って武装を付け替える、という使い方ができる。
60ミリバルカンポッド
ジム・スナイパーII ホワイト・ディンゴ隊仕様、
こちらに付属の頭部外付けバルカンポッドを参考にしていますが、ドラケンE本体とのバランスを考え少し大型化しています。
この程度ならプラ板とプラ棒を切った張ったすれば作れますが、今回は手を抜いてHGUC 1/144 MS-09 ドム/MS-09R リック・ドムのジャンクから股間後ろパーツ(D11)をカットして、1.2ミリプラバンで上面をふさいだだけ。
発射口も、リック・ドムの股間パーツをカットした際に不要になったパーツはめ込み穴軸先端をカットして入れただけ。
照準カメラはRG 1/144 RX-78-2 ガンダムのリアカメラをカットして付けただけです。
上腕はビームサーベルのものと同じくパワーローダータイプ腕の肘から先を取り付けステーとして少しだけ残しカットしたもの。
短距離ミサイル×2
キットのものは背面に肉抜きがあります。
埋めるのも面倒だし綺麗に仕上げるのも難しいので、タミヤのプラ棒(5ミリ丸棒)をカットして作りなおしてあります。
真ん中の小さなボックス裏の肉抜き穴は厚さ0.3ミリのプラバンを貼ってふさぎました。
背面ロケットエンジン
ボールの原型機であるスペースポッドSP−W03(ボールより小さい)からの技術流用という設定で、ガンプラコレクション
Vol.2 ボール、
こちらのものをカットして使っています。
これは1/144スケールモデルの半分の大きさ、1/288のものですが、ちょうどよくはまります。
ボールはSP−W03のスケールアップ版で、SP−W03はボールの半分の大きさと言われていますから、そういう意味でもぴったりでしょう。
ボールの背面バーニアを可動式にデザインしたカトキ氏の設定、
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こちらを参考に斜めにカット、余っていたHGUC 1/144 RGM-79C ジム改のランドセルのバーニアをはめ込んでいます。
塗装と仕上げ
下記手順で塗装してあります。
1)ガンダムカラー UG12 MSサザビーレッドとMr.カラー C40 ジャーマングレー、つま先の補助タイヤ用にMr.カラー C33 つや消しブラックで筆塗り塗装
2)ガンダムマーカー スミいれ用 筆ぺん グレー 水性 ふきとりタイプ GM21でスミ入れ
3)水性プレミアムトップコート つや消し スプレーで仕上げ
プレミアムトップコートの威力はすさまじく、筆塗りゆえにあった塗りムラがほぼ分からなくなります。
これならスプレーやエアブラシを使わなくても筆塗りで十分ですね。
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なお、クレオス公式のB603 プレミアムトップコートつや消しの適切な吹きつけ方をご参考までに。
塗りすぎても白化しないので、昔みたいに離れた距離から振りかけたりしないで、取扱説明どおり20センチ程度の距離から表面が濡れる程度に塗りましょう、ということです。
他、塗装の注意点をまとめると、
赤は下地が透けやすい
赤の塗装は下地が透けやすいため、隠ぺい力が高いと言われるガンダムカラー UG12 MSサザビーレッドを選びました。
(あと調色が面倒だったので、そのまま使える色にしました。私が以前愛用していたタミヤアクリルカラーは赤系の色のバリエーションに乏しかったので)
もっとも赤い塗装をする場合、下地は白より黄色の方が発色が良く、ドラケンEの形成色はオレンジ。
オレンジ=黄+赤なので心配することもありませんでした。
短距離ミサイルも白いプラ棒削り出しだし。
しかし背面に使ったボールのパーツは薄いパープルだからいけるはず、と期待しましたが駄目だったのでホワイトで下塗りした後で塗装。
なおラッカー塗料は乾燥が滅茶苦茶早いため、うすめ液で極力薄めてから使いますが、それでも油断するとぼってりとした溜まりができます。
乾燥後に紙やすりで磨いて……という修正も可能ですが、表面ディティールをつぶしてしまったりしますし何より面倒。
ある程度ならプレミアムトップコートで誤魔化せますから、あまり気にしなくても大丈夫ですがね。
またサザビーレッドは半光沢(セミグロス)のはずなのですが「どこが?」というくらいつやつやです。
Mr.カラー C189 フラットベース「なめらか・スムース」をだいぶ混ぜましたがそれでも完全な艶消しにはなりませんでした。
これも最後にプレミアムトップコートを吹けば艶消しになるのだから、艶消しにこだわる必要は無かったんですけどね。
ジャーマングレー 結婚したい
アニメ『フレームアームズ・ガール』にて、
「そして鉄板のジャーマングレー! あ〜ジャーマングレーほんといい色! 結婚したい! 寿・ジャーマングレー・武希子になりたいナリ〜!」
という名言を作ったジャーマングレー。
第二次世界大戦初期から中期までのドイツ戦車の色だからジャーマングレーなわけですが、これが本当に結婚したくなるほどいい色。
ごくごく薄い塗膜でも下地は透けないし、塗りムラも出ない。
薄く塗れるからプラモのエッジがシャープに仕上がり、しかもグレーの明度が絶妙だからドライブラシをしなくてもディティールに合わせ陰影がくっきり出る。
中期以降のドイツ戦車はデザートイエローで塗られるわけなんですが、黄色系なので下地が透けやすい=厚塗りになりやすく筆ムラも出やすい、というのに比べれば天と地の差。
簡単に格好いいドイツ戦車を作りたかったらジャーマングレーで塗ることのできるモデルを買うといい! というぐらいです。
前振りが長くなりましたが、昔ミニスケールのドイツ戦車を作るのに重宝したジャーマングレーを使おうと思ってMr.カラー C40 ジャーマングレーを買ったわけですが、これがとんだ落とし穴。
「あれ? ジャーマングレー買ったはずなのに何でこんなに黒いの? うわっラッカー乾くの早っ、塗膜厚過ぎっ、何でジャーマングレーで塗りムラができるのさ! いや、完全に乾いたら変化するとかじゃないのか? いくら何でもこのままじゃ…… このままだったよ。ってか、艶消しのはずなのにぬめるようなツヤがあるのはなぜ?」
いやね、塗ってからどういうことかと調べましたよ。
ジャーマングレーには2つの種類がある
私の記憶にあった、昔使っていたものはタミヤアクリルカラーのジャーマングレー。
こちらはスケール効果(同じ色でもスケールが小さくなるほど暗く見えてしまう)に配慮した、本来の色より明るいプラモデルに最適な色に調合されています。
アクリル塗料だから乾きが遅いので筆ムラも生じにくくゆっくりと薄く伸ばして塗ることが可能。
一方、今回使ったMr.カラー C40 ジャーマングレーは「本来の色を完全再現してあります」というもの。
だから1/1モデルに塗って日の光の下で見たら納得するかも知れないけど、プラモデルに使うとスケール効果で真っ黒に見えてしまう、という。
それを逆手に利用して「黒の代わりに使うと引き締まる色」として重宝されているらしいのですが。
(まずいと思ったのかその後、明るい色味のMr.カラー C515 ジャーマングレー/グラウ(退色時) つや消しとか出してます。これ使えば良かった)
まぁ、今回はこれで納得しておきますが。
プレミアムトップコートを吹いたら塗りムラもテカリも抑えられましたし。
でも、これだとつま先の補助タイヤ用にわざわざつや消しブラックを買わなくても良かったですね。
次があるなら使い慣れたタミヤアクリルカラーで塗ると思います。
・隠ぺい力でガンダムカラーサザビーレッドを選んだが、ドラケンEのプラはオレンジ、改造に使ったのは白いプラ棒とプラ板なので透けやすい塗料でも問題なかった。ボールから流用のパーツはサザビーレッドでも下地処理が必要だったので結局手間は変わらないし。
・後からタミヤアクリルカラーのフラットレッドで塗られたサザビーの作例を見ましたが、なかなかいい感じで調色無しでそのまま塗っても大丈夫そう。
・溶剤を2種類用意しなくてはいけないのは面倒ということでジャーマングレーもラッカー塗料にして合わせたけど、思っていたのと違いすぎ。
・ラッカー塗料は乾きが早すぎるので塗膜が厚くなりがち。ミニスケールのプラモだとディティールが丸まってしまう。その点、乾きが遅く薄く伸ばしやすいタミヤアクリルカラーの方が向いている。
という具合で。
ラッカー塗料にはラッカー塗料の良さがありますし、私が使い慣れていないだけなのかも知れませんがね。
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