ガンダム世界でスコープドッグを作ってたらKMF紅蓮に魔改造されてしまった件
第40話 ブラレロのララァ Bパート
「シャリア・ブルが敗れたと?」
グラナダのキシリアは、ティーカップを手に部下の将官からその報告を受けとっていた。
「は、彼の不慣れなせいでありましょう。シャア大佐からの報告ではガンキャノンの性能がニュータイプに適応した能力を……」
「シャアめ、推測ばかりを」
苦々しい表情でカップを置くキシリア。
「は?」
「いや。で、ギレン総帥の方の作戦は?」
「は、我がグラナダ艦隊とア・バオア・クーを第一線として、これに本国のソーラ・レイを」
「ソーラ・レイをか。ギレンのごり押しだな」
コロニー国家にとってソーラ・レイは国土を犠牲にする忌むべき悪手だ。
キシリアは考える。
これは賭けだと。
(ジオンという国家が持つヒト、モノ、カネ、時間、信用、それら諸々の資産、すべて賭けてもまだ足りぬ。
だからやくざなことにコロニーという国土を質に賭け金を借り出した。
たとえそれが一晩明けて鶏が鳴けば身を滅ぼす法外な利息だとしても、あの男(ギレン)は30倍の国力を持つ連邦と勝負するためにすべてを賭けたわけだ)
しかしそれは、
(我々と同じ様にな)
やくざな手段に首までどっぷりつかっているキシリアとて同じことだったが。
(一夜の勝負にすべてを賭けた。
運命がカードをまぜ賭場は一度、勝負は一度きり)
ソーラ・レイは一度しか使えぬ手札。
(相手は満員御礼、大入り(フルハウス)状態で押し寄せる連邦艦隊。
さてお前は何だ、ギレン!)
月の裏側基地グラナダと、宇宙要塞ア・バオア・クーを結ぶ線をジオンでは最終防衛線と呼ぶ。
一方、ここはジオン公国の第三号密閉型コロニー・マハル。
ミヤビによってスカウトされたシーマたちの住んでいた場所でもある。
まぁ、彼女らの国籍はサイド6リーアに移され、ここにはもうつながりは持っていない。
いわゆる転勤族の親の赴任先、一時的に暮らしたことのある街、というような感じである。
「よし、123号艇、これまで。ご苦労、行ってくれ」
コロニーの自転速度、遠心力を利用して送り出すスペースバスを使った強制疎開が行われていた。
推進剤を節約して同じサイド内に浮かぶ別のシリンダーまで航行できるものである。
バス自体には姿勢制御、進路変更用のスラスターがある程度で、航行用の大型ロケットエンジンは組み込まれていない。
「こいつ!」
勝手に列を離れようとした老人を押し留める兵。
「貴様、それでもジオンの国民かい!」
「ま、孫娘と離れてしまったんだ、それを捜しに」
おろおろと言い募る老人に、
「孫娘だって必ずどっかの船に乗ってるって」
そう言い聞かせ、
「し、しかし、行き先はわからんじゃろ?」
「ジオン国内だ、すぐに見つかる」
と相手にしない。
ただまぁ、子供の放浪力は侮らない方がいいというか。
海水浴場で迷子を保護、アナウンスをしたが保護者が現れない。
実はその子供は数キロ離れた別の海水浴場の客で、海岸沿いにずっと歩いてここまで来ていたのだ、などという話には事欠かないのだから。
「次の船急げ」
「おう、立て。お前達が乗る番だ」
このようなマハルの居住者150万人の強制疎開が始まったのは四日前からであった。
本土決戦のための計画であることは誰の目にも明白であった。
他のコロニーで使われている太陽電池が次々とマハル周辺に運び込まれる。
人々は不安げにその作業を見守るだけであった。
「しかしなギレン、百万の一般国民を疎開させるということは、これは軍人の無能を示すことだ」
とソーラ・レイに難色を示すデギンに、ギレンは平然と決裁を求める。
「やっておって今更」
という話であり、本当にこの決裁に整合性を求めるなら日付を遡って決裁書を作らねばならず……
それって虚偽公文書作成・同行使になるんだけど、ということだが、さすが独裁制、その辺はどうとでもなるらしい。
「貴公、知っておるか? アドルフ・ヒトラーを」
押し問答の末、仕方なしにサインをするデギンはペンを取りつつ問う。
ギレンは、
「ヒットラー? 中世期の人物ですな」
訝し気に言う。
デギンは決裁書にサインしつつも、
「ああ。独裁者でな、世界を読みきれなかった男だ。貴公はそのヒットラーの尻尾だな」
そう告げる。
「わたくしが?」
「わしはジオンの国民を急ぎまとめる方便として公王制を敷いた。ジオンの理想を実現する為に。しかし」
「ヒットラーの尻尾のわたくしが独裁制に持ち込んだ」
「キシリアとな」
ギレンはうなずき、
「はい。絶対民主制は連邦ごとき軟弱を生むだけです。それでは人類は共食いになります、今度の戦争のように。ま、勝ってみせます。ヒットラーの尻尾の戦いぶり、御覧ください。わたくしはア・バオア・クーで指揮をとります」
そう言って下がるギレンの背中に向けデギンはため息をつき、
「……ヒトラーは敗北したのだぞ」
とつぶやくが、不意にその瞳が見開かれる。
「待てギレン!」
呼び止められ、振り向くギレン。
「……貴公の秘書官は紅茶を淹れるのが上手いそうだな」
「は?」
「わしも飲んでみたくなった。場を用意してくれるか?」
「父上」
「うるさい耳目の無い場所で、ゆるりとな」
それで、ギレンはうなずく。
「はっ、先ほども申しましたがわたくしはア・バオア・クーに移りますので、その前に」
歩み去るギレンは、
(老いたと思ったが、父上、まだ思考は衰えておらぬようだな)
そう、内心でつぶやくのだった。
ギレンの秘書官を務めるハニーブロンドの美女、セシリア・アイリーンの淹れた紅茶をデギンは一口楽しみ、
「美味いな」
「左様で」
まぁ名目上のことではあるが、このためにこそ、ギレンの用意した『うるさい耳目の無い場所』、つまり盗聴器などの無い洗浄された場所に出向いたのだ。
「あの令嬢も、美味い紅茶を淹れてくれたものだったな」
「そうですな」
二人の脳裏に浮かぶのは、静謐な美貌を持つ黒髪の令嬢『ヤシマの人形姫』ミヤビ・ヤシマの楚々とした姿。
「民主主義国家から独裁者が台頭する背景、ナチスドイツとアドルフ・ヒトラーの例をとって貴公と話し込んでいた」
この世界でミヤビが違和感を覚えるのは、レビル将軍やマスコミはギレン・ザビをナチスドイツのアドルフ・ヒトラーに例えるが、どうしてそこで思考が止まってしまうのか、ということ。
民主主義国家から独裁者なんてものが台頭するには、それなりの環境が必要だ。
歴史に学んで発生しないよう予防策を取ればいいのに、何でそうしようとしなかったの?
ということだ。
例えば第一次世界大戦後のヴェルサイユ条約でドイツが課せられた賠償金は疲弊したドイツの経済問題をさらに悪化させ、その結果生じたハイパーインフレはワイマール共和国を失敗させ、ナチスとヒトラーの台頭をもたらした。
第二次世界大戦後の戦後処理はこれを教訓に行われ、以後巨額の戦争賠償金を敗戦国に課す、というようなことは無くなったのだが。
連邦は戦争賠償金なんて課していない、と思っているのだろうが、それより質が悪い。
コロニー建設費用の徴収なんて。
地球連邦政府、アースノイドにしてみれば高速道路の料金のように受益者負担で連邦がコロニーを建設するにあたって作った借金を住人が返済するのは当然だろうが。
しかし棄民政策で無理やり地球を追い出されたスペースノイドにとっては、
「監獄造ったからそこに入れよ。当然、監獄の建設費用から維持までお前ら持ちな。シャバ(地球)には一生戻させねぇから」
と言われているようなもの。
要するに感情的には地球に住む権利をめぐって争い、敗れた相手に課した巨額の戦争賠償金のようなものに成り果てているのだ。
納得できるはずがない。
そうやって独裁者を生み出す土壌を整え、自分たちでせっせとザビ家独裁を大きく育てておいて、殴られて大騒ぎするというのも間抜けなことだった。
そういった見識をギレンから誘導され引き出され、「どんな罰ゲームよ!」と内心悲鳴を上げつつ、いかにオブラートにくるむか苦心している当時のミヤビに対し、これは面白いとばかりに容赦なく突っ込んだ話をするギレン。
デギンは珍しいものを見たと思っていたのだが、
「何を考えている?」
何を考えて、ヒトラーについて良く知らぬような口ぶりをしたのか。
「わしを試したのか?」
ヤシマの令嬢との会話を忘れ……
いや、そうでなくともギレンほどの頭脳の持ち主が独裁制の過去事例であるヒトラーを顧みていないとは思えない。
それを思えば確かに試されるほど自分は鈍っていたのか。
ギレンは笑うと、
「父上は仰いましたな、「ジオンの国民を急ぎまとめる方便として公王制を敷いた」と」
「うむ」
「ではなぜ、私が持ち込んだ独裁制もまたジオン独立のための方便であると考えぬのですかな?」
「なに?」
「ミヤビ嬢とはナチスドイツとヒトラーの台頭、その背景と必然性について語り合いましたが、当然、さらにその先を考えてみたのですよ、私は」
ギレンはあっけにとられた様子の父、デギンに、
「「過去の人物(ヒットラー)には無理だったが、自分ならばもっと上手にやる」? 私がそう考えているとでもお思いでしたかな?」
と問う。
「私が演じているような『独裁者』がいかにも口にしそうな、考えそうなことですが、そんな考えで実際に成果を上げた者はまずおりません。要するに「失敗する者は皆愚かで自分は頭がいいから、自分だけは大丈夫」とうぬぼれ法を破る犯罪者と何ら変わらぬ思考なのですから、成功する方がおかしい」
「ぎ、ギレン、お前は……」
息を飲むデギンに、ギレンは語る。
「権力は肥大化し権勢をふるい、方向を誤ったとき自然崩壊する。恐竜滅亡の昔から繰り返されてきたいざこざであり、そんなものに用はない……」
その言葉に、デギンは思い出す。
「かの令嬢はそのように言っておったな」
ギレンに散々つつき回された挙句、権力に興味は無いのかと問われたミヤビが、ありていにぶっちゃけた言葉だ。
連邦の腐敗政治をあげつらっている面もあるが、同時にジオンの権力争いにも興味はない、野心など持っていないと牽制している言葉でもある。
そしてそれが自分の本心だと示すためにも、前世で愛読していた漫画のセリフを参考に、明け透けに語ったものだったが。
デギンには、それを聞いてなるほどと得心したような顔をするギレンの方が印象に残っていた。
「つまり、お前は…… だからか? パートナーも迎えず、後継者も作らずにおるのは」
ギレンの妻は富野監督のインタビュー上か、監督の書いた小説版でしか語られていない。
ギレンが公の場に出すことを嫌っており記録もまったく残っていない、それは妻と呼べるのか? という存在で、ファーストレディどころかパートナーとしても認められていない扱いである。
ギレンは苦笑してそれには答えず、こう語る。
「お教えしましょう、父上。私が考えた、この戦争を終わらせ、ジオンを独立させるためのプランを」
「キャッチした。敵戦艦はマゼランタイプ1、サラミスタイプ3、最小戦闘単位です」
敵艦隊を捕捉するザンジバル。
「モビルスーツ発進」
すかさず指示を出す士官。
「シャア大佐、ララァ・スン少尉も出しますか?」
との問いにシャアは、
「無論だ。ララァを特別扱いするなよ」
そう答える。
モビルスーツデッキから、足の代わりにスカート内にロケットエンジンを装着したリック・ドムK型、クルツタイプ2機にエスコートされ出撃する、有線サイコミュ実証機MAN-00X-2ブラレロ。
『ララァ、恐くはないか?』
「は、はい」
シャアからの問いに、ララァは緊張気味に答える。
以前、エルメスで出た時は敵から察知されない超遠距離からの遠隔攻撃であり、反撃を受ける心配は無かった。
一方、今回は敵を視認できる距離での戦いだ。
ゆえに、
『初めての実戦だ、リック・ドムK型、二機のうしろについて援護をすればいい』
とシャアが言うとおり、これが実質的な初陣と言って良いだろう。
「はい」
『私もすぐに追いかける』
その言葉にようやく笑顔を見せるララァ。
「やってみます、大佐」
『うむ、シムス中尉も頼むぞ』
複座であるこの機体に技術者として支援のために乗り込んでいるシムス中尉にも声をかけるシャア。
「了解です、シャア大佐」
そうして部隊は前進を開始する。
「グラナダからの援軍は?」
「あと5、6分でグワリブが着きます」
「うん、キシリア殿がようやく重い腰を上げたという訳か」
普通ならそれを待つものだがシャアは違う。
機先を制して攻撃し、戦果を求める。
よしんば、苦戦したとしてもキシリアの艦隊が来れば逆転できる。
自艦に敵艦隊を引きつけておけば、キシリア側はその不意を突くことも容易くなる。
点数稼ぎにもちょうど良い。
「Jミサイル、敵マゼランタイプに照準」
Jミサイルは、ザンジバルの両舷に装備されている超大型ミサイルだ。
「マイナスコンマ2、修正2。大佐」
「よし、Rコンマ3、2、Lコンマ1、撃て」
先制の一撃。
敵艦隊は蜂の巣をつついたように迎撃に出る。
そこに、
「Jミサイル第二攻撃、照準合わせ。撃て」
第二波の攻撃。
敵は撃墜に成功したようだが、かなり肝を冷やしたようだ。
混乱が手に取るように分かる。
「上出来だ。私はザクで出る」
席を立つシャア。
「マリガン、あとを頼む。貴様には貸しがあったはずだ、ちゃんとやって見せろよ」
副官のマリガン中尉に命じる。
「は、はい」
委縮した様子で答えるマリガンに念を押すように、
「私が出たら30秒だけ援護射撃をしろ」
そう言いつけ、マリガンが、
「は、はい」
と先ほどよりはしっかりと答えたことを確認し、ブリッジを後にする。
修理と調整を終えたシャアの赤いFZ型ザクが出撃する。
対艦戦、ということもあり今回も135ミリ対艦ライフル装備だ。
「よーし、援護射撃30秒。味方のモビルスーツに当てるなよ」
シャアの出撃を確認したマリガンの指示でザンジバルの砲門が火を噴く。
「それでいい、マリガン」
シャアはザンジバルの援護射撃に紛れて加速。
「急げ、FZ」
F型ザクの70パーセント増し、ゲルググをも上回る推力でシャアの赤いFZ型ザクが突撃する!
「ララァ少尉、敵を攻撃圏内に収めました。戦闘はお任せします」
シムスからの連絡。
ララァはうなずき、
「私とこの子のデータの収集をお願いします」
「了解です」
そして、
「来ます、少尉」
接近する敵艦隊。
ララァは敵の対空砲火をかわすと、機体尾部に折りたたまれていた有線サイコミュ装置を上下に展開。
「左のサラミスを」
ブラレロは高速で突撃、有線ビーム砲を上下に射出。
そうしてから減速をすれば慣性で前方に進み続けるビーム砲のみが突出し、ワイヤーでつながれているがゆえ、お辞儀をするように、サラミスを上下から挟み込むように配置される。
さらに、有線ビーム砲にはエルメス本体にも使用されていたフライホイールを用いたコントロール・モーメント・ジャイロスコープが搭載され、これが姿勢、すなわちビーム砲の向きを変え、照準を付ける。
そして攻撃。
包み込むような連続攻撃により、サラミスを撃破する。
「やった、大佐、やりましたよ」
もしこの攻撃をミヤビが見ていたら、
「『Xマルチプライ』じゃない、アレ」
とでも言っていただろうか。
『Xマルチプライ』は『R-TYPE』で有名なアイレムの横スクロールシューティングゲーム。
何よりの特徴は自機の上下に触手が生えて、その先から攻撃できること。
触手は自機を移動させることで逆に揺れるような動きをする。
つまり後退すれば前にお辞儀をするように動くわけで、これは先ほどのブラレロの有線サイコミュとほぼ同じ。
とはいえ、それが分かってもミヤビは友人のプレイをゲーセンで横から眺めていただけだから、対処も何もできないだろうが。
このゲーム、大ヒット作の『R-TYPE』『R-TYPE II』に続くアイレムの力作だったが、とにかく情報が出回らなかった。
一説によると、攻略雑誌がアーケードゲームの寿命を縮めているという判断で情報を統制していたとも言われるが、そのせいで露出が極端に少なく、結果、知名度がとっても低いマイナーゲーと化していたのだ。
家庭用ゲーム機に移植されたのも9年後、しかも同社の『イメージファイト』とのカップリングで収録された結果、知名度のあった『イメージファイト』の影に隠れてしまった、おまけとしか思われなかったという悲劇の作品である。
ララァの機体をエスコートするリック・ドムK型。
そのパイロットであるバタシャムだったが、
「……あれがサイコミュ、ニュータイプってやつか? ま、まるでベテランパイロットじゃないか。あれが初めて戦いをする女のやることなのか?」
と絶句。
「よーし、もう一隻ぐらい、あっ」
集中する敵艦からの対空砲火に驚くララァ。
「あっ、ドムが援護を?」
リック・ドムK型の援護が無くなり、
「あっ、ドムがうしろに下がる」
そのためにララァの機体が前面にさらされ敵の砲撃が集中してしまっているのだ。
しかも、
「なぜあたしのうしろにつこうとするの? 初めて戦いに出るあたしを前に出して」
ララァが回避のため移動しても、その後ろで、まるでこちらを盾に使うかのように位置を変える。
「あたしがやるしかないの?」
機体に走る被弾の衝撃!
「ああっ、援護がなければ集中しきれない」
先の出撃とは違い、初めて敵の砲火にさらされるというララァに、この状況を何とかするような余裕は無い。
「……あと一隻だというのに」
有線サイコミュでオールレンジ攻撃を仕掛けようとするものの、
「ああ、当たらない」
集中力を欠いた状態では無理だ。
「ん? どういうことだ?」
戦場に到着したシャアは訝しんだ。
「バタシャムめ、貴様が前に出るのだろうが」
FZ型ザクのマニピュレータを使ったハンドサインで指示を出すが、
「馬鹿言え、ブラレロがいたら俺達が前に出ることはないだろ」
と、バタシャムは拒否、というか見なかった振り。
「そ、そうか、やってみる」
機体をサラミスに向け突撃させるララァ。
「ララァ、無茶をするな!」
シャアは慌てて援護するが、
「撃つ」
巻き取った有線サイコミュ端末を、機体固定のメガ粒子砲として扱い、サラミスを狙う。
しかし、
「射撃をあてにしてはいけないということ?」
外れる。
そこにシャアのFZ型ザクが合流。
「大佐」
『ララァ、援護するぞ』
その支援を受け、ララァはようやくサイコミュのコントロールに集中できるようになる。
「大佐。……大佐がいれば」
改めて展開させ直した有線ビーム砲がサラミスの横っ腹を捉える。
すかさず包み込み、串刺しにするような砲撃で追撃をかけ撃破。
そうしてようやく身体から力を抜く。
『ララァ、よくやった』
シャアからの通信にも、
「大佐、援護してくださってありがとう」
と笑顔で答えることができたのだった。
■ライナーノーツ
ジオンサイドです。
ギレンやデギンのたどる運命は、表向き史実どおりのようでいて実は、という感じで進行する予定なので、その仕込みですね。
そしてブラレロの初陣。
まぁ、本領発揮はこれ以降ですけどね。
>『Xマルチプライ』は『R-TYPE』で有名なアイレムの横スクロールシューティングゲーム。
知っている人は少なそうですね。