Kanon版ドラゴンクエスト3攻略日誌
『香里の僧侶一人旅 バラモス城編』



 そして、いよいよバラモス城へ。
 まずは、バラモスに会わずに宝箱のみ回収する強行偵察に出る。

「地獄の騎士、ホロゴーストの即全滅コンビがここでも出るのは痛いわね。この2種類のモンスターに出会ったら即、逃げよ」

(スノードラゴンは、レイアムランドでも出てましたね。凍り付く息は、フバーハで対処ですね)

「エビルマージはマヒャドが痛いわね。魔法の鎧、魔法の盾のダメージ軽減があってもこのダメージよ。ただ、経験値は美味しいからバギクロスね」

(動く石像は攻撃力が高いし、痛恨の一撃があるみたいですね)

「自然回復がやっかいよね。戦うならバギクロス連打だけど、倒しきれないような…… ザラキ、効くかしら?」

(はぐれメタルも居ますけど)

「ここのモンスターに毒蛾の粉が効くのかしら? 余裕があれば、同士討ちさせて倒したい所なんだけど」

 バギクロス。バギクロス。バギクロス。バギクロス。更にバギクロス。
 とにかくバギクロス一択で行く。
 僧侶にできる他の攻撃など、ここでは本当に補助にしかならないのが悲しい。

 まずは、庭の離れから入った地下の突き当たりの牢屋から、小さなメダルを回収。
 宝物庫らしき場所の宝箱からは魔神の斧、不幸のカブト、祈りの指輪を回収できたが、祈りの指輪以外は僧侶には使えない。

 後は、バラモスの犠牲者らしき骨の前から2枚目の小さなメダルを回収して、撤収する。


「さて、これからはレベル上げよ。少なくともバラモスの自然回復100ポイント以上の打撃を与えられるようにならないと、絶対勝てないから」

(そのための豪傑の腕輪ですね)

「そう。経験値をチェックして、レベルアップしそうなぐらいになったら装備して、性格を『ごうけつ』に変えるの」

 レベル上げだが、まずは不思議な帽子目当てで、グリンラッドで戦うことにする。
 ここは、ほぼ氷河魔人とビッグホーンしか出ない土地。
 ビッグホーンはザキ、ザラキがよく効くが、倒し損ねた場合に追加で呪文を唱えることを考えると、バギクロスの方が効率がよい。
 氷河魔人はバギクロス連打で葬っていく。
 回復は薬草、帰りはキメラの翼で、とにかく単位時間当たりの回転率を上げ、ひたすら倒し続ける。

「出た! 不思議な帽子よ!!」

(やりましたね、お姉ちゃん!)

 その甲斐あって、レベル42でとうとう不思議な帽子を手に入れることに成功した。

「この帽子は、消費マジックポイントを75パーセント+1にしてくれるわ。低レベルの呪文だと効果がないんだけど、バギクロス辺りだと9から7に減るわね」

(でも、守備力はとんがり帽子が+21に対して、不思議な帽子は+8なんですね)

「そうね、だから状況に応じて使い分けが必要よ」

名前:かおり
職業:そうりょ
性格:セクシーギャル
性別:おんな
レベル:42

ぶき:ゾンビキラー/モーニングスター
よろい:まほうのよろい
たて:まほうのたて
かぶと:ふしぎなぼうし/とんがりぼうし
そうしょくひん:ほしふるうでわ


 不思議な帽子が手に入ったとなると、もうグリンラッドで戦う意味は無くなる。

「短期間に経験値を稼ぐなら、バラモス城に突入して、バギクロス連打で行くのが一番効率が良いんだけど……」

(どうしたの、お姉ちゃん)

「バラモス城は、経験値の入り方が読めないのが難点なのよ。はぐれメタルなんて倒したら、一気に4万もの経験値が手に入るわ」

(いいことじゃないの?)

「今、豪傑の腕輪でレベルアップの時だけ性格を変えて力を伸ばそうとしてるでしょ」

(そっか、星降る腕輪からの切り替え時が分からなくなるってことですね)

「だからって常時豪傑の腕輪にすると、素早さが落ちて先制されるし、守備力が落ちるし、バラモス城の敵を相手にするには不安なのよね」

 仕方がないので、力の種狙いでジパングの九州に当たる部分で豪傑熊狩りをする。
 豪傑熊はヒットポイントが高く、バギクロスでも倒しきれないことがあるが、ザラキがよく効く。
 近くに旅人の宿屋があり、すぐに回復できるため、マジックポイントはケチらずにどんどん時間当たりの回転率を上げていく。

「力の種ゲットよ!」

(レベルも43に。最後の呪文、メガンテを覚えましたね)

「意味のない呪文だけどね」

 ただでさえ使わない自己犠牲の呪文だが、一人旅では完全に出番がない。

「それよりも問題なのは、力がまったく伸びないことよ。豪傑の腕輪を使っても、レベルアップ時に1ポイントアップ、まれに2ポイントといったところ。これじゃあ、まったく足りないわ」

(どうするんですか?)

「仮に、このペースで力の種を手に入れていったとして…… 計算だと、レベル60前後か。このまま中途半端にしているよりマシね」

 手早く力の種が手に入るペースとレベルアップによる力の伸びを計算し、当たりをつける。

「栞、あたしはマタギになるわよ」

(えぅ?)

 本腰を入れて熊狩りを行う香里。

「まず、あたしの攻撃だけど、バギクロス、ザラキ、雷の杖の3択になるわ」

(後は、直接攻撃ですね)

「大王ガマに対しては、相性が悪いのか、バギクロスは効きづらいわ。雷の杖はよく効くけど1撃では倒せない場合がある。幸い、ザラキが効きやすいから、ザラキで行くわ。1匹まで減ったなら、ゾンビキラーで1撃よ」

(そうですね)

「豪傑熊は、基本的にバギクロスで倒せるんだけど、ダメージが足りないと生き残るから、雷の杖か直接攻撃で止めを刺すことが必要よ。対して、ザラキは良く効くとはいえ完全ではないし、倒せない場合は無傷で残るから、もう一回唱えるか、直接攻撃なら2発以上、入れる必要がある」

(バギクロスの方が早いターンで確実に倒せますし、マジックポイントも節約できそうですね。それじゃあ、豪傑熊は、バギクロスで倒すことに……)

「待ちなさい栞」

(はい? どこかおかしかったですか?)

「私達が目指さなければならないのは、戦闘にかかる時間の短縮であって、少ないターン数で倒すことじゃないのよ」

(一緒じゃないんですか?)

「バギクロスや雷の杖は、嵐を呼んだり爆炎をまき散らしたりと派手な効果があるけれど、その分時間がかかるでしょ。ザラキなら、一瞬だわ」

(あっ……)

「この場合に、バギクロスや雷の杖のような派手な効果は必要ないわ。なぜなら、このあたしが、呪文を唱えた時には既に行動は終わっていなければならないからよ。即効性のザラキなら使っていいわ」

 また、大王ガマと対処を一緒にしておくということは、戦闘の際に呪文を選び直す手間が省けるということでもある。
 同じ理由で、回復もベホイミ一択。
 一定のボーダーラインを割った時点で回復させる。

 こうして戦闘にかかる単位時間をぎりぎりまで切りつめる。

「ある程度までレベルが上がったら大王ガマからは100パーセント逃げられるようになるから、大王ガマのみで現れた場合は逃げることにするわよ」

 これにより、豪傑熊のみを連続して倒せるようになる。

 回復はすぐ近くの旅人の宿屋で行うが、マジックポイントを使い切る頃には、レベルアップに必要な経験値の4割ほどが稼げるようになった。

「力の種は、入手に波があるけど、1レベル上げる間に2〜3個は手に入るわ」

 1個につき力が1〜3ポイント上昇のため、レベルアップによる強化より、よほど早く上げることができる。

 途中、力の種の入手や成長の度合いから都度予想に修正を加えていく。
 こうやって具体的な目標が目に見える形であると、ただ漫然とレベルアップを図るよりモチベーションが保てるのだ。

 そして、目標としていたレベル60に到達。
 ここまでに貯まった力の種は、52個。
 香里の力は82まで上がっていた。

「それじゃあ、ドーピングタイムよ」


名前:かおり
職業:そうりょ
性格:セクシーギャル
性別:おんな
レベル:60

    ちから:244
  すばやさ:236
 たいりょく:150
  かしこさ:151
 うんのよさ:148
さいだいHP:301
さいだいMP:298
 こうげき力:311
  しゅび力:191

ぶき:ゾンビキラー/モーニングスター
よろい:まほうのよろい
たて:まほうのたて
かぶと:ふしぎなぼうし/とんがりぼうし
そうしょくひん:ほしふるうでわ


(うわぁ……)

「力がみなぎりまくりね」

(確かに凄いですけど、どうして最高値の255にしなかったんですか? ここまで上げてしまったらもう、レベルアップでは上がりませんよね)

 だからこそ、カウントストップの255に手が届くまでは、種の類には一切手を付けなかったのだ。

「それは、これから手に入るだろう、力の種を使う分を残しておいたのよ。とりあえずのバラモス戦には、今のままで十分だし」

 あまり完全を目指しても、気力が保たないということもある。

「それじゃあ、バラモスを倒しに行くわよ!」

 バラモス城に殴り込み。
 レベルを上げすぎたせいか、バラモス城で現れるモンスターからも100パーセント逃げられるようになっていた。
 バリアの床で消耗した分を除き、無傷でバラモスの元へ。
 薬草で回復して、いざ戦いへ。


「ついにここまで来たか。香里よ。
 この大魔王バラモスさまに逆らおうなどと、身のほどをわきまえぬ者たちじゃな。
 ここに来ることをくやむがよい。
 ふたたび生き返らぬよう、そなたらのハラワタを喰らいつくしてくれるわっ!」

「……へちゃむくれのカバの分際でナマイキね」


 戦闘開始。
 まず香里は、フバーハでバラモスの炎を緩和。
 次いで、マヌーサで打撃を外す様にし、ルカニで防御力を下げる。
 ヒットポイントが減ってきたら安全サイドで回復。
 これらの下準備が終わる頃には、香里はバラモスの攻撃パターンを完全に読み切っていた。

「バラモスは、半分ぐらいの確率で2回攻撃を行ってくるわ。攻撃パターンは、イオナズン→打撃→激しい炎→打撃→メラゾーマ→メダパニ→イオナズン→バシルーラよ」

(魔法の鎧と魔法の盾が弱めてくれますから、イオナズンで40ポイント、メラゾーマで60ポイント以下しかダメージを受けませんね)

「打撃はマヌーサで外れやすくしたけど、当たったら80ポイント程度のダメージ。一番警戒が必要よ。激しい炎は、フバーハで緩和して60ポイント」

(メダパニとバシルーラは、一人だと意味が無い攻撃ですし)

「後は、ヒットポイントが予測されるダメージ以下にならないように回復を続ければ負けは無いわね。さぁ、あたしの手の内で破滅への輪舞を踊りなさい!!」

 ちなみに、呪文を封じると呪文を飛ばしたローテーションになるため、かえってダメージが増えてしまう。
 呪文は封じずに行くことにする。
 力の種のドーピング効果もあって、苦もなく勝利。

「と言うより、自動回復以上のダメージさえ与えられれば、あとは痛恨が無いだけボストロールよりぬるかったわよ?」


「ぐうっ…… お……おのれ、香里…… わ……わしは…… あきらめ……ぬぞ…… ぐふっ!」


 バラモスが倒れ、暖かな光が満ちると香里の身体が全快し、そして栞までもが甦った。


「栞…… 栞…… 私の声が聞こえますね?
 あなたたちは本当に、よくがんばりました。
 さあ、お帰りなさい。あなたたちを待っている人びとのところへ……」


「こ、この声は夢の中で私に酷いことを言ってた……」

 強制的にアリアハンに跳ばされる香里達。
 ちなみに、この時点では船もラーミアもなく、キメラの翼も行き先が制限され、アリアハンを出る手段はない。
 モンスターも出ないため、栞をカンオケに戻す手段が無いのだ。

「おお栞よ! よくぞ魔王バラモスをうちたおした!
 さすがオルテガの娘! 国中の者が栞をたたえるであろう。
 さあみなの者! 祝いのうたげじゃ!」

「えぅ、私は何もやっていないんですけど」

「そう? 私は栞のお陰でいつも助かってると思うんだけど」

「そ、そうですか?」

 しかし、怪しい霧が立ちこめると、巨大な影が現れた。

「わははははははっ! よろこびのひと時に少しおどろかせたようだな。
 わが名はゾーマ。闇の世界を支配する者。
 このわしがいる限り、やがてこの世界も闇に閉ざされるであろう。
 さあ、苦しみ悩むがよい。
 そなたらの苦しみは、わしのよろこび……」

「医者に行きなさい。医者に」

「えぅ、ヘンタイさんです」

「命ある者すべてをわが生けにえとし、絶望で世界をおおいつくしてやろう。
 わが名はゾーマ。すべてをほろぼす者。
 そなたらが、わが生けにえとなる日を楽しみにしておるぞ。
 わははははははっ……!」

 そしてゾーマの幻影は消えていった。
 雷に打たれ、亡くなった兵士達と共に。

「なんとしたことじゃ…… やっと平和がとりもどせると思ったのに……
 闇の世界が来るなど、みなにどうしていえよう……
 栞よ。大魔王ゾーマのこと、くれぐれも秘密にな……
 もうつかれた…… さがってよいぞ……」

「大丈夫よね。栞はすぐにカンオケに戻るんだから」

「し、死人に口なしですかぁ?」

「言わなくても、あたしの考えてることぐらい分かるでしょう?」

「えぅ、ひ、ひと思いにゾンビキラーで…… やって下さい」

(No、No、No……)

「そ、それじゃあ、バギクロスですか?」

(No、No、No……)

「もしかして、モーニングスターですかぁ?」

「あのねぇ、あたしを何だと思ってるのよ……」

 結局、ラリホーで眠らされた上、ザキで痛みも外傷もなく即死する栞。

「うん、やっぱりこの方が落ち着くわ」

(それってもう既に私がカンオケに入っている状態が普通って事ですか? あんまりです〜っ)



つづく


■ライナーノーツ

 バラモス撃破です。
 力の種ドーピングを邪道と見る人も居るでしょうけど、独力でやってますから、一人旅の定義からは外れてないと思います。
 ちなみに、これ以上は無いというぐらい、効率的に熊狩りをやっていますので、作業はそんなに辛くは無かったですね。
 表計算ソフトで計算して、随時実績を反映、到達レベルを予想したり、戦術を組み上げたりと退屈しませんでした。

>「この場合に、バギクロスや雷の杖のような派手な効果は必要ないわ。なぜなら、このあたしが、呪文を唱えた時には既に行動は終わっていなければならないからよ。即効性のザラキなら使っていいわ」

 ジョジョの奇妙な冒険Parte5黄金の風の名言が元ネタ。


>「えぅ、ひ、ひと思いにゾンビキラーで…… やって下さい」

 ここの下りはジョジョの奇妙な冒険Parte3 スターダストクルセイダーズのスティーリー・ダンの台詞が元ネタ。

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