連邦軍ルナツー基地は、大きな損害を被っていた。
 3年ぶり経験する実戦に、アニッシュの心は揺れる。
 モビルスーツ搭載型サラミス級巡洋艦ボスニアに、新しいパイロットが補充されてきた。
 しかしそれは、元ジオン軍パイロット、ケン・ビーダーシュタットであり、アニッシュとの間に対立を生む。
 ついにドラッツェ1号機パイロットの座を掴んだアニッシュに待っていたものは、2号機奪還の命令であった。
 それぞれの思いを胸に、ボスニアは出撃する……



機動戦士ドラッツェ 0083 STARDUST MEMORY
第4話「テキサスの攻防戦」




 サイド5宙域に入り、哨戒中のボスニアブリッジ。

「ぁ!」

 思わず声を上げてしまうノエル。

「ん?!」

 ブリッジに走る緊迫感。

「敵!? 副長、回避行動用意!」

 すぐさまレーチェルが反応するが、

「違います、敵ではありません」

 ノエルは慌てて否定する。

「ん?」
「何?」
「あの…… 哨戒中のドラッツェです。その、また……」
「まさか……」
「そのまさかです、艦長」



 ドラッツェ1号機コクピット内、アニッシュの膝の上に乗って、その上からハーネスを締めているメイ。
 小柄なメイだからこそできるタンデムだった。

「な、何をする気だ!」

 点検用キーボードを引き出し、何やらやらかし始めるメイにアニッシュは叫んだ。

「フ…… 心配しないで。機体制御OSの新しいセッティングの究明よ! 成功したら、あなたのドラッツェの反応スピードは倍になるわ!!」

 そんな事を言いつつ、ドラッツェの制御コンピュータのセッティングをよりピーキーなものに変えて行くメイ。

「心配しないで、あたしは天才よ、あたしに不可能はないわ!!」

 そう宣言して、セッティングを終える。
 とたんに制御が難しくなるドラッツェ。
 ガツンと反応は良くなったものの、扱いが難しすぎる。
 顔を引きつらせるアニッシュと対照的に、笑顔を浮かべるメイ。

「どうやらあたしの求めるセッティングが完成の時を迎えたようね!! 少尉さん、あなたの身体でドラッツェ究極のセッティングを試させてもらうよ!! アナハイムには強い男が必要なの! あらゆる実験にたえうる木人形(デク)がね」
「うわあぁぁっ、ボスニア、モビルスーツデッキ、着艦許可を求む!」

 制御が怪しくなり、慌ててドラッツェ1号機の着艦許可を求めるアニッシュ。

『了解、収容体制に入る。そのまま待機されたし』
「わああぁぁっ!」

 モビルスーツデッキに半ば不時着するようにハードランディングするドラッツェ。

「ん!? まちがったかな……」

 首をひねるメイ。
 身体を固定していたハーネスを外し、コクピットハッチを開くと、椅子兼クッションとなって気絶しているアニッシュを見下ろして言う。

「あたしの求めるドラッツェ制御系のセッティングはまだ遠い!!」

 やれやれだった。



「あ、頭が痛い……」

 思わず頭を抱えるレーチェルに、更に厄介事が降りかかる。

「艦長、またジャブローから入電です。今日これで3度目の催促で……」
「出ない訳には行かないでしょうっ!」
「あ! あの……」
「……あ、ああごめん。つないでちょうだい。ハァ〜」

 ボスニアは奪われたドラッツェ2号機を探してサイド5宙域を彷徨っていた。
 残留ミノフスキー粒子と一年戦争の名残のスペースデブリは、2号機を包み隠したままレーチェルたちの焦りを笑っているかのようだった。
 宇宙の闇は吸い込まれるように暗く……

『2号機はすでに、アナハイムから納入されたものだ! 奪還に手間取るんならバラバラにしようと勝手なんだ! 同乗しているルナリアンの意見など構わん!』
「な、何ですかそれは!?」

 連邦将校の暴言に思わず声を上げてしまうレーチェル。

「最善を尽くします。早速、哨戒行動を強化いたします! 以上!」
『ま、待て!』

 皆まで聞かずにレーチェルは通信を切ってしまう。

「……ビーダーシュタット大尉、ただ今の無礼を許して下さい」
「いえ、別に……」

 レーチェルの謝罪に、気にしていない事を告げるケン。
 その答えにレーチェルは安堵する。
 彼女独自の情報網で知った所によれば、目の前の男性は、アナハイムのテスト・パイロットであるばかりでなく、ジオン共和国の防衛部隊長なのだ。

「お偉方はわかっちゃいない! だいたい、どうして我々だけが、こんなに目を皿にして探し回っているんです!?」

 更に、声を荒げる副官に、わめきたいのはこっちだと言いたい所をこらえてレーチェルはあえて正論を口にする。

「副長、このサイド5には本艦以外にも多数出動してるわ。我々だけではないわよ」

 しかし、ブリッジスタッフ達の不満の噴出は止まらなかった。

「全部コーウェン将軍の息のかかった部隊だ」
「ジャブローの連中は、自分達に2号機の核を撃たれるんじゃないかとハチの巣を突いた様です」

 とうとう切れるレーチェル。

「本艦は作戦行動中よ! いい加減にしなさい!」



「ジオン中興のために」
「星の影作戦の成功を祈って」

 ムサイ級巡洋艦キワメルの士官室。
 ワイングラスを交わす、ガースキー・ジノビエフ中尉とキワメル艦長を務めるジェーン・コンティ大尉。

「美味い!」
「とっておきの最後の1本よ。勇名を馳せたモビルスーツ特務遊撃隊レッドチームの一員たるあなたに飲まれれば、シャンパンも本望でしょう」
「今じゃあジオン共和国の張子の虎、防衛部隊の一パイロットですがね」

 ガースキーは肩をすくめて見せた。

「そして、それを言うなら、コンティ大尉殿はジオン公国軍武人の鑑ってやつでしょ。3年の間、よくこのキワメルを維持したもんだ」
「多くの部下を失ってしまったわ…… モビルスーツもすでに残りはリック・ドムが2機。この艦にいたっては、大佐殿の留守を預かっただけで、それほど褒められた事でもないでしょ」

 大佐殿、一年戦争当時の二人の上司、遊撃隊司令のダグラス・ローデン大佐のことだ。
 彼は今、ジオン共和国本国防衛隊に所属し、階級も少将にまで昇進している。

「いや、それにしても、大尉のおかげで奪取した核とドラッツェを運び出せるんですから」
「大いに役立てて頂戴。あなたたちが一年戦争の終結で去って以来、温存しておいた甲斐があったというものだから」
「こんなにもしてもらっておきながら、作戦についてお話しできずに……」
「それが作戦というものでしょ。あとは回収艦隊のポイントにコムサイが到達できるよう、わずかな射出までの時間を待つだけ。敵に気取られないよう、息を潜めてね」
「コンティ大尉……」
「すべては新しきジオンの為に……」

 その新しきジオンとは何を意味するのか?
 彼女はどこまで事実を知っているのか?
 そして本当の彼女の狙いは?
 ガースキーは鋭い視線を目の前の美女に投げかけたのだった。



「そこの、通信室で何をやっている!?」

 アナハイムの制服を着た男性が通信室に入って行ったことを不審に思ったロイが声をかけると、男は銃を抜きながら、こう答えた。

「ばれちまっちゃあ、しょうがねぇ」



『全警備兵へ! ジオンのスパイ、アナハイムの技術員ジェイク・ガンスはモビルスーツデッキ区域を逃走中!』

 館内放送が響き渡る。

「やっぱりこーなるか」

 ジェイクは比較的警備の手薄だった部品取り用のF2ザクのコクピットにつきながらぼやいた。

「後は、残った隊長が何とかしてくれるだろ」



「ジェイクがスパイだったなんて……」
「どうやら、ジオン残党とつながっていたみたいだな」

 不安そうなメイを、ケンはなだめる。
 ケンが所属するジオン共和国防衛部隊にジェイクは来なかった。
 その一方で、今回の反連邦の作戦には参加していた。
 ジオン共和国の所属でなければ、後は単純な引き算。
 ジオン残党、おそらくは今回の作戦をバックアップし協力しているキワメルのジェーン・コンティ大尉あたりとつながっているのだ。



「艦長! モビルスーツ発進口、開きます!」
「と、止めろーっ!」

 警備兵の制止を振り切って発進するF2ザク。



「よし、上手く追い出してくれたわね。見失なわないで!」
『はい!』
「艦長、申し訳ありません。アナハイム側からこんな……」

 謝罪の言葉を口にするケンだったが、レーチェルは首を振って答えた。

「あなたが謝る事じゃないわ。そのお陰で、敵の所在を突きとめる事ができるわけだから」

 レーチェルは、わざとスパイを逃がしたのだ。
 その背後を追って、敵の本隊を見つけるため。

「……はい」



「レッド・スリーよりキワメル! 応答してくれ! ボスニアを脱出した!」



「ご存知の通り、コムサイはガイドレールを使ってムサイから射出されることで発射初速を得るため、大気圏突入に限らず、姿勢制御以外の推進剤の消費無しで目的地にたどり着くことができるわ」
「十分です。艦長には感謝の言葉もありません」
「ふふっ、あと1時間後のコムサイ射出が、この艦最大の功績となるかもしれないわね」
「ええ」

 ジェーンとガースキーが話し合っているところに、通信が入る。

『失礼します!』
「何か?」

 通信士を務めるユウキ・ナカサト嬢だった。

『レッド・スリーから通信が入ってます。敵艦から脱出した、と』
「ジェイクが!?」

 顔色を変えるガースキー。
 しかしジェーンは、冷静に対処した。

「いけない! 無視して! 下手に返事をすればこのキワメルが敵に察知されるわ」
『はい』
「……いや、待って。無視してもいずれ飛行経路から見当をつけられてしまうわ。まずいわね、これは」



「艦長! 狙い通りです! ジェイク・ガンスは残党軍にコンタクトを求めています!」
「ロフマン少尉! 聞こえてる? 出撃よ!」
『了解!』



「おいっ」
「ン……」
「「んー」」

 モビルスーツデッキで、ドラッツェが発進準備に入る中、アニッシュの部下のロイとトムはにらみ合っていた。

「「フン」」

 チョキであいこ!

「「フン!」」

 グーであいこ!

「「フン!!」」

 パーであいこ!

「「フンッ!!!」」

 ロイがチョキ、トムがパーでトムの負け。

「ン〜フフフッ」
「ケェーッッ!」

 嬉しそうなロイと、吐き捨てるように呟き、そっぽを向くトム。
 二機ある内のジム改の内、一機はスパイが行きがけの駄賃とばかりに破壊されたため、一人は留守番になってしまうのだ。
 長い哨戒任務の末、ようやくストレスの発散ができると思ったのに、トムにとっては、これはあんまりな結果だ。

「何をやってるんだ、二人とも! って……」
「必殺メイキッーク!!」
「うわぁ!」

 空中から反転キックでアニッシュをドラッツェのシートに叩き伏せ、その膝の上に乗ってハーネスを締めるメイ。

「な、何をするだァーッ!」

 あまりの事に、口が回らなくなるアニッシュ。

「もちろん、スパイ追跡に付き合ってあげるんだよ。ドラッツェは調整中であたしのフォロー無しじゃろくに動かないんだから。それじゃあ、レッツゴー」
「とほほ……」

 これまでの経験で、何を言っても聞かないと分かっているアニッシュは、仕方なしにメイを乗せたまま発進シーケンスに入る。
 何しろ相手はモビルスーツに自爆装置を付け、実際に使ったという過去を持つマッド・エンジニア様だ。

「アニッシュ・ロフマン」
「ウィズ、メイ・カーウィン!」
「ドラッツェ、行きます!」

 ボスニアから発進するドラッツェ。

「ロイ、ジム行きます!」

 その後を追って、ロイのジム改が発進。



「逃がさないように、気付かれないように追うって言うのも難しいな」

 推進力に優れたドラッツェなら一気に追いつく事も可能なのだが、それでは敵の所在を突きとめる事ができない。
 一定の距離を取りながら、逃亡するF2ザクを追いかけるアニッシュ。

「ホラホラ、撃って撃って」
「この距離じゃ、当たりっこない!」
「それじゃ、これでどう?」

 勝手にコントロールを奪って、右腕のマニピュレーターを排除して装備した40ミリガトリング砲をオートで点射する。

「あ、当たった!?」
「これがドラッツェの実力よ、ロフマン少尉」



「追手か!」

 驚くジェイク。
 幸い、装甲の厚い箇所に当たったので、ドラッツェの40ミリ弾では被害はないが。

「センサーの範囲外から撃ってきやがっただと!」

 ジェイクはザクの進路を変更した。



「ほら、ロフマン少尉! 今ので怯んだ敵が、本隊まで案内してくれるみたいだよ!」

 メイの指摘で、ジムを追いかけるドラッツェ。



「艦長! コムサイ、射出準備完了です!」
「よし…… これで少なくとも、コムサイ射出の時間は稼げそうね」
『……御武運を、大尉』

 ガースキーから、最後の通信が入って切れた。

「……クローディアたちのリック・ドムの準備はいい?」
「あ、はい、クローディア少尉、準備はいいですか?」

 艦長の指示に従い、ユウキが呼びかける。

『ええ、いつでも大丈夫よ』

 作戦位置のスペースデブリに隠れたリック・ドムIIからは、レーザー通信で、確かな返事が返ってきた。

「我々の志は、星の影作戦に受け継がれるわ」
「ジノビエフ中尉に、ですか?」
「全艦へ! これよりコムサイ射出まで時間を稼ぐわ! 集中して!」



『逃がさないぞ、さんざん待ったんだ』

 ジェイクのF2ザクを追いかけるロイのジム改。

「感度あり! 左だ!」

 接近するモビルスーツを発見するアニッシュ。
 ドラッツェはジェネレーター出力が低い分、自機の発生させるノイズが少なく、より高感度のセンサーセッティングが可能なため、ジム改の倍近くのセンサー有効範囲を持つのだ。
 また、自体が可動肢として作動することで、機体の運動性を補っているバックパックに装備されたフレキシブル・バインダー先端部にもアンテナが装備され、それを補っていた。

『チッ、くそぅ! 新手か!』



「迂闊よ、深追いして待ち伏せを食うなんて!」

 ボスニアのブリッジで歯噛みするレーチェル。
 それにアニッシュが報告する。

『ドムが2機です!』
「残念だけど、、スパイは敵の所まで案内してはくれなかったようね」
『はい。敵の所在を我々に知らせない為に、我々を在らぬ方向へ導いて……』
「ちょっと待って、敵はこちらが追っている事を知って、進路を変えたのよね」
『はい』
「ロフマン少尉、敵が知られたくないのは、そこにドラッツェ2号機があるからではないの?」
『あ……』
「敵本隊は、初期のスパイの逃走方位にあるわ!」



『何だぁ!? 敵の陽動に引っかかったってんですか!? 本当の敵の本当の位置は…… テキサスゾーンかぁ!』

 間の抜けた大声を上げるロイ。
 テキサスとは、レジャーと牧畜業を専門に造られたコロニー。
 一年戦争で放棄されたもので、それを囲むように岩とコロニーの残骸が浮かぶ暗礁空域を形成していた。

「話が美味すぎたな。ボスニアと合流しないと」

 リック・ドムII2機。
 そしてそれに合流して反撃してきたF2ザクを相手に戦いながら後退するドラッツェとロイのジム。



「艦長! テキサス方向への回頭、完了です!」
「総員、戦闘用意! このボスニアで突っ込みます!」
「艦長! それは!」
「……やむを得ないわ! 敵の陽動は明らかに時間稼ぎよ。敵は間もなく行動を起こすはずよ!」
「それは、2号機を運び出すという事でありますか?! おっ?!」
「な、何!?」



「敵には、もうモビルスーツは居ないわ。主砲は敵艦の接近だけを阻止して」

 テキサスゾーンに入ったボスニアの前に現れるキワメル。



「ああっ!」
「くっ! ロフマンやロイはどうしたの!」

 艦を掠めるメガ粒子砲に、さすがに動揺を隠せないレーチェル。



『少尉、自分を置いて行って下さい! ドラッツェのスピードなら間に合うでしょう?』

 ジムのロイから通信が入る。

「しかし、それでは3対1になるぞ。死ぬ気か!?」
『なに、逃げに徹すれば、中々墜ちないもんですよ』
「くっ、分かった、絶対無理をするなよ!」



「艦長! 艦を後退させてください!」

 ボスニアのブリッジ、副長の上げる悲鳴に、レーチェルは首を振った。

「できないわ! 核とドラッツェ2号機を見逃すわけにはいかない!」



「くっ、スペースデブリが邪魔で思ったようにスピードが出せない」
「慌ててもしょうがないでしょ」

 焦るアニッシュと対照的に落ち着いているメイ。
 アニッシュは遂に決意する。

「メイ、前のセッティングをしてくれ。あの反応性なら、デブリをかわして間に合うはず」
「えー、ピーキー過ぎて少尉には無理だよ」
「頼むから! 俺のできることなら何でもするから! 今はあの力が必要なんだ!」
「絶対?」
「絶対!」
「何があっても?」
「何があっても!」

 ふぅ、とため息をつき、点検用キーボードを引き出してセッティングを始めるメイ。

「あなたに力を……」

 制御を容易にするためのリミッターが緩められ、ドラッツェはその狂暴な反応性を発揮する。

「あ、ありがとう!」
「お礼はいらないよ。それよりさっきの話だけど本当になんでもするんでしょうね……」
「あ、ああ」
「じゃあ、あなたにドラッツェのセッティングのテストを手伝ってもらうわ」
「へ?」

 メイはアニッシュの足を踏みつけ、スロットルを全開にした!

「この場で死んで見せて!」
「うわあぁぁっ!?」
「約束は果たしてもらうよ」

 目前に迫った岩を、無理やり避けるアニッシュ。

「それよ! その生への執着が限界すら超える強烈な超反応を生むかもしれない!!」

 更に、セッティングを変更して行くメイ。

「フフ…… 今から機体制御に必要な、ぎりぎりのセッティングを行うわ!!」
「うぎゃあああっ!!」

 間一髪で、スペースデブリをかわすアニッシュ。

「アハハハ! あと1ミリで接触していたね! 気力よ!! 気力でドラッツェの性能を引き出して見せて!!」



 通信機越しに聞こえてくるメイたちの会話に、こめかみを押さえるケン。

「あ、頭痛……」

 そう言えば、メイはモビルスーツに関してだけはマッドな行動を取りがちだったと思い出したのだ。



「艦長、敵モビルスーツ急速接近! これはドラッツェ1号機?」
「構わないで! コムサイ射出態勢を維持!」



「ぅ……! ドラッツェ戻りました! しかし、敵の動きは止まりません!」
「何だ、敵の艦首に熱反応が発生……」
「あれはコムサイ!?」
「主砲開いて! 敵のコムサイ射出を阻止するのよ!」



「行ってちょうだい、ジノビエフ中尉!」

 射出ポイントに到達するキワメル。



「敵の攻撃で照準が合いません!」
「構わないわ! 撃ってっ!」

 しかし、その前にコムサイが射出されてしまった。

「あぁ!?」



「勝ったわ…… 星の影作戦に栄光あれ、ね!」

 ボスニアを牽制しながら後退するキワメル。



次回予告
 些細な一言、ささやかなすれ違い、波紋はあまねく銀河へ広がる。
 新たな強敵がアニッシュのドラッツェ1号機に立ちはだかる。
 撃たれゆくドラッツェ…… アニッシュの窮地に、運命の波はメイを洗った。
 そして鉄の意志、デラーズ・フリート、その大いなる言葉が宇宙を揺るがす。



■ライナーノーツ

>「フ…… 心配しないで。機体制御OSの新しいセッティングの究明よ! 成功したら、あなたのドラッツェの反応スピードは倍になるわ!!」

 マッドなこれらの台詞の元ネタはもちろん、北斗の拳のアミバ様より。

 しかし実際、メイは原作でもモビルスーツに自爆装置を組み込んだりしているマッド・エンジニアだったりする。

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